第2章 :思い出を一緒に〜promise〜
「とにかく、見つかって良かったな!それで本当にその鈴で、迎えが来るのか?」
『この前も言ったけど…この鈴を持ってるだけで、家族が私を探知してくれるの。だからもうすぐ…ホラ、来た!』
頭上高くに風が渦巻き、リンは笑顔でそれを見上げて指差した。
何の姿も見えないが、ファーランも何かの気配は感じる。
「もしかして、お前の家族って…」
(人間じゃないのか?)
『ねぇファーラン…わたしやっぱり、きちんとお礼がしたい!だってファーランはわたしの命の恩人だもん。でも今のわたしは何も出来ない。だから…次に会った時、必ずお礼する!』
「次って…」
(地下と地上でいつ、どうやって?)
『すぐには難しいかもしれないけど…何となくファーランには何処かでまた、会える気がするの!』
「そうか?」
『うん!その約束の証として…これ、持ってて。』
リンはファーランの手に、石が付いたペンダントを乗せる。
「へぇ…いいな。」
(アイツの瞳の色と同じだ。)
『もしお金に困ったら、売ってもいいし…高いか分からないけど。』
「売らねぇよ、約束の証なんだろ?」
『そう…だけど。』
「サンキュ!大切にする。」
ファーランはその場で首に、ペンダントを付けて見せた。
『色々ありがとう!次は必ず、あなたの願いを叶えるから。またね、ファーラン!』
「あぁ、俺も楽しかった。またな、リン!」
少女は大きく手を振った。
そして空に何か叫ぶと、また風が渦巻き…その場から姿を消した。
「ハッ…一体何者だよ、あいつ。」
ファーランは空を見上げた。
「そうだな…俺もまた会える気がするよ。その時を楽しみにしてるな!」
少女に貰ったペンダントにそっと触れ、微笑したのだった。