第2章 :思い出を一緒に〜promise〜
「お前は確か…あの窃盗団の一味だったよな?お前らなら分かるだろ?そいつがどんなに価値がある女か。」
「さぁ?俺たちのリーダーは、人身売買に興味はないんでね〜。」
青年は少女の前から動かず、男達と話しながらも辺りを見回している。
そして…
「チビ助、掴まれ!!」
振り返り、少女に手を差し出す。
顔を上げ青年を見つめ頷き、必死で手を掴んだ。
青年はその手をグイっと上に引き寄せ、自分の首に手を回させる。
瞬間腰に付けていた長四角の機械から何かが飛び出し、隣のビルの窓枠に刺さる。
そしてワイヤーが巻き取られ、青年と少女の身体がふわりと浮いた。
「わっ?!」
突然身体が浮き上がり驚いた少女は、更に強く青年の首にしがみつく。
「絶対に離すなよ!」
そういうと青年は再度何かを屋上のへりに刺すと、そのままビルの屋上に降り立つ。
「てめぇ、その女を返せ!」
「悪いけど、それは聞けないね〜じゃ!」
男達は急いで隣のビルに向かうが…青年は少女を横抱きにし、何度か移動を重ねて去って行った。
「チビ助、お前軽いな!もっとちゃんと食え〜!」
青年は少女を抱えながら建物の間を飛び、ニカッと笑った。