【ハイキュー】キッカケはいつも君だった。【影山飛雄】
第2章 僕を見て
「飛雄、キスの意味知らない……?」
「…………」
「夜、飛雄と空、唇触れ合わせてたでしょ。あれの事。って、何でこんな事、弟相手に教えないといけないの……」
空の柔らかい唇の感触を思い出した飛雄は頬を真っ赤に染めた。
「…………」
「…………」
頬を真っ赤に染め、何かを思い出している飛雄に、美羽は若干引き気味になりながらも、飛雄に確認するべく尋ねた。
「飛雄、何で空にキスしようと思ったの?」
「前、何かのドラマで、泣いてる女に男が……キ、キス……したら泣き止んだの、観たから……」
美羽は、聞き覚えのある内容に一瞬固まるも、目の前で頬を染める飛雄に恐る恐る確認した。
「飛雄、泣いていたのが空じゃない女の子だったらどうしてた……?」
「困る」
「困る以外は?キスはする?」
「しない」
言い切った飛雄に美羽はホッと息を吐く。
「その考えで良いと思うよ。誰彼構わずキスはするものじゃないからね」
「だれかれ……?」
「……ああ、誰でも良いって事」
美羽の言葉に納得したように頷く飛雄の頭を美羽はひと撫でし、立ち上がった。
「じゃあ、私は行くから。もう少し寝てれば」
「うん」
空を優しい眼差しで見つめた美羽は、今度こそ部屋を出ていった。