第2章 料理と衣装合わせ
私とナイトメアは急いで塔のキッチンに向かった…
こっそり覗き込むと…紫色に煮立っている鍋が…
グレイは何処かに行っているようだ…
「毎回思うけど…グレイの料理って高度な魔法薬を作るよりも難しいかも…」
「感心してないで…早く君の能力で食べられるものにしてくれ!!」
「分かってますよ…ナイトメア…(ってかまだ死にたくない…)」
私は鍋に手をかざして呪文の様なものを唱えると…たちまちクリームシチューになった…
「ざっとこんなものかな…ってか今日の献立はクリームシチューだったんだ…」
「お~!!毎回すごいな…」
「まあね…魔法薬作る時と呪文が一緒だし…」
本当はこの呪文って薬を入れて違和感が無いようにして何とか薬を飲ませる為に編み出した呪文なんだけど…
「なあ、ユキ…」
「ん?なんですかナイトメア様」
「さっきから君の思考が読めないんだが…」
「きのせいよ…」
「いや!絶対思考を閉じている!!私の事を様付けで呼ぶ時はいつもそうだ!!」
塔に来た頃…ナイトメアに様付けで呼んだり敬語使うの禁止と言われていた…
もう一人の私は兄を付けて呼んでいたからそれで呼んでと言われているが…恥ずかしいので言わない…
だから、ナイトメアって呼び捨てにしている…
時々こうして様を付けたり敬語になってしまったりする…
主に、思考を閉じている時だけ…
「(人1)…帰っていたのか…」
「うん…ナイトメアが夢の中で呼びに来たの…ご飯だから」
「そうだぞ!!私は偉いんだ!!えっへん」
「そうか…で、ユキ…俺の料理に何か加えたのか?」
「えっ?」
「いや…写真通りのクリームシチューが出来上がっているから…」
「うっうん、居なかったから火加減見てた…」
「まっ魔法が少しかかってしまった様だな…」
「最近、料理の時も魔法を使っているからね~」
グレイ…すっ鋭い…
ナイトメアも頷く…
「それとユキ…病院で処方箋貰ってきたのだが…この薬頼めるか?」
「うん、良いけど…先にこの薬とこの薬を作ってからだから…10時間帯位かかるけど…前回のってまだある?」
「ああ、それなら大丈夫だ…」
「嫌だぞ!!私は薬も飲まないし、注射もうたない…病院にも行かないぞ!!たとえユキが作った魔法薬でもだ!!」
「病院や注射はどうにもならないけれど…薬の事なら任せて…」
私は魔女だからね…