第9章 新たなる始まりと夫婦喧嘩
帽子屋領のバザールは塔の領土とは仕入れている品が違うので、珍しい魔法薬の材料も手に入りやすい…
それもあって、領土内でも動きやすいように以前は塔の補佐をしながら帽子屋ファミリーの仕事を手伝っていたんだけど…
今は完全に塔の人間だから少しは警戒しないと…
子供たちは帽子屋屋敷に預けて来たし…
帰りにちゃんと迎えに行かないとな…
それよりも…
「あの2人はちゃんと面倒見てくれてるかな…?」
エリオットは面倒見のいいお兄さんだから大丈夫だとして…問題はブラッドだ…
面倒くさい事は部下に任せる人だからな…
それでも…よく引き受けてくれたよな…
何か余計な事を吹き込んでなきゃいいけど…
そういえば…もうそろそろナイトメアの休憩時間だよね…
早く買い物して帰らないと…
あっこの材料良いかも…あの薬に使える…
「ユキ!!」
あれ…この声は…
「ナイトメア…どうしたの?」
「ミントとミルクは!?一緒じゃないのか?」
「あー二人なら帽子屋屋敷よ…」
「どうして帽子屋なんかに預けたんだ!?娘たちが嫌いな食べ物が沢山出て来る所に…」
「だからこそよ…それと、ナイトメアは夢魔なんだから私みたいな魔女よりも何か周りの空気が違うのには気が付いてるでしょう?」