第9章 新たなる始まりと夫婦喧嘩
「この薬の作り方は…」
「こう…ですか?」
私は薬の補充をした後、簡単な魔法薬の作り方を教えていた…
少しでも、従業員に教えておけばいざという時に楽だからね…
ナイトメアは…来てないね…良かった…
最近、仕事をしようとするとナイトメアとグレイが止めて…
魔法薬作りも時々しかできなかったから…
「さあ!さっさと薬作っちゃいましょ!!急がないと…」
「あっ…ユキ様…」
「あの病弱で過保護で仕事のしない…病院嫌いの…」
夢魔…と言おうとしたら…
「悪かったな…病弱で過保護で仕事のしない…病院嫌いの夢魔で…」
どっかから聞いた声が聞こえる…
従業員達はオロオロしている…
「みんなどうしたの?まるで本人が来たみたいよ?」
今頃ナイトメアは塔で執務中よ…さっきのも空耳…
後ろに振り向くと…ナイトメアが立っていた…
「何で、ここに来てるんだ君は…!!しかも、魔法薬を作って…!!安静にしていろとあれほど…」
「補佐の仕事もさせてくれないし…もう一人の自分の所にも遊びに行けないし…他の領土にも行けないし…薬も作っちゃダメ…薬屋は私のお店よ?魔法薬を作らないとストックだってなくなっちゃうんだから…それにね、毎日やる事が無くて退屈なの!!」
「なっ!!…私は、君の事を心配して…君にもしもの事があったら…」
私は急に杖を振り…黒板に魔法薬の作り方とポイントを書き始めた…
「ユキ…?」
「もういい…用事済ませたら…少しの間頭冷やしに行ってくる…グレイ兄さんにも伝えといて…」
「待ってくれ!!」
ユキは心の中でバカ…とつぶやきながら出て行った…
ナイトメアも追いかけていく…
「ナイトメア様…」