第7章 ゲーム
アリスは運転席に走って行く…
ブレーキをかけようとしているようだ…
「やめてほしいなぁ…君までもが俺を殺す気?」
「死にたくないのなら、あなたが止めてよ!!」
「そうね…汽車は止めるべきです…」
ダイヤの国のユキが立っていた…
ジョーカーを睨んでいる…
「魔女か…またあのチビ夢魔に夢の隙間を教えてもらったな…?」
「ユキ!!」
「助けに来たよ…アリスさん…」
「汽車を止めて!!」
「分かってるわ…」
ユキは魔法で止めようとする…
「…はあ、脱線事故とは…今回はやけに斬新な死に方をする羽目になりそうだ…新ジャンルの開拓だね…」
「…何?新ジャンルの開拓でもしたいのですか?ジョーカー…そんな事は一人でなさってください…それとも…私に手伝って貰いたいのですか?魔法薬による毒殺ってのも良いと思いますよ…丁度…実験してみたい薬もありますし…」
彼女の黒い笑みが周りの人間を凍らせる…
「いや…遠慮しとくよ…」
急に、ハンドルが変な方向に曲がった…
ユキが何かに気がつく…
「アリスさん…迷ってるの?」
「…!!」
列車が傾いた…
「アリスさん!!危ない!!」
アリスは咄嗟に目をつぶった…
痛みが来ると思っていたら…来ない…
脱線したんじゃ…
アリスは…恐る恐る目を開ける…
すると…ユキがアリスを庇って怪我をしていた…
守りきれない所は魔法でカバーしている…
「アリス…さん…」
アリス「ユキ…!!しっかりして!!」
彼女はみるみる兎の姿になって行く…
白色の兎…
ペーターの親戚…
アリスは今にも消えてしまいそうな(人1)を抱きしめた…
ペーター…私どうしたら…
すると…ペーターの後ろ姿が見えた…
ユキを抱きしめながら追いかけて行く…
汽車の揺れなんか気にならなくなる…
ジョーカーの声も…
アリスは白兎を追いかける…
ユキは今使える魔法を目いっぱい使ってアリスを現実に引き戻した…
2人とも消えていく…