第5章 告白とジョーカーからの招待状
役持ちの彼女が目覚める少し前…
ナイトメアは夢の中に入って行った…
誰かを探すように…
…
…
夢の中で懐かしい声がした…
久しぶりに聞くその声に話しかける…
「ナイトメア?」
「ユキ…」
「どうしたの?そんな暗い顔をして…もう一人の私と何かあったの?」
「…いや、そういうわけでは無いが…」
ナイトメアの言葉をユキが制止する…
「まって…もう一人の私って…アリスを使えるわよね?」
「ああ…君と君の前世が大切にしてた時間が切り取られた存在だからな…使えるはずだ…それがどうかしたのか?」
「やっぱり…これを付けさせて…」
ユキはさっきまで自分が付けていたイヤリングを渡す…
「これは…?」
「アリス制御用のイヤリングだからもう一人の私のアリスは制御されると思う…」
「君は…?このイヤリングは…」
「私は、もうアリスの制御とかには慣れてるし、子供たちはアリスレベルが低いから…それに、もうあの時あの時間の私じゃない…だから、あのイヤリングはあの時間の私が持つべきなのよ…」
「そうか…君はもう…」
「当たり前でしょう?あれから…飛び級で専科を卒業したからねチャンピオン業とか教員の仕事以外では仕事はあまりないから…何かあったら夢で呼んで…」
彼女はそう言うと消えて行った…
彼女から切り取られた時間は…夜の時間…
前世で切り取られた時間と彼女から切り取られた時間が重なってユキという役付きが出来た…
夜に悲しい事が起きたりしたこともあったけど…
同時に嬉しい事が沢山あった時間…
…だから彼女も出来るだけユキの事を気にかけているのだろう…
娘や妹の様に…
こちらの世界にシルバー君が居たら私は負けるのだろうな…
「時々…君達の絆に妬くよ…」
ナイトメアはふっと笑うと…クローバーの国に戻った…