one piece of my Dream [ワンピース]
第7章 好きだよ
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なぜあんなことを急に話そうと思ったのかも、
夜にお酒を飲みすぎたのもわからないまま、
フワフワする意識の中で、
誰かに図書館の自分の寝床へと運ばれる。
「……大丈夫か?…」
声をかけられたものの、ん。としか答えず、そのままソファーに倒れ込む。
「……昼間といい……どぉしたんだ?」
少し治まった酔いの中で、相手がゾロだと気づく。
「ゾロ?………僕…
…キミのこと好きだよ……」
うつむいたままの状態で、顔だけゾロの方へと向ける。
「…はぁ?……お前、何寝ぼけたこと言ってんだよ…」
「…寝ぼけてない………ホント……本当に……好き……」
「……キヨ……ってやつは……?」
「………キヨ…………」
急にぼやけだした視界に、頭の中も霞む。
「…キ……ヨ…」
………会いたい……逢いたい……あえない……
溢れて、こぼれた涙を見られなくなくてクッションに顔を埋める。
「……俺な……今までちゃんと恋愛…ってもんをしてこなかった……
………そんな感情がなくても、欲求は満たされる。
お互い良く知らないまま、ただ単にsexして終わりってだけで、
心まで欲しいと思ったことはなかった。
……………………でも、
…お前が……しんの全てが……スゲェ欲しいって……最近よく思う……
……少しでも近くにいて、お前のこと知りたい……
ルフィやコックに触れさせたくなんかない…」
僕のすぐそばに腰を下ろしたのか、ソファーが音を立てる。
「……僕、ゾロが…好き…
………キヨが、一番好きだった人だから……
……でもね、それよりも
キヨに似てるからだと思う……」
僕はキヨとゾロを重ねている。
「…だったら、…そいつの元に帰るまで……
俺のそばにいろよ…」
それをわかっているゾロは、それでも変わらず優しかった。
……僕の勝手か…………ゾロの嘘か……
今はまだわからないけど、
月の光に照らされた二人の影が重なった。