one piece of my Dream [ワンピース]
第7章 好きだよ
火傷した右腕を掴まれたまま、左手で顎を引き寄せられる。
「…ちょっ…サン---…」
口を塞がれるまでが一瞬だった。
柔らかな唇に甘くついばまれるようなキス。
「…んっ……サン……ジ…」
逃げるようにあがいてみるが、全くかなわず、少しずつ体が熱くなる。
「…あんま可愛いこと言ってっと……止まんねぇよ?…」
離れた唇から、いつもと違うサンジの声。
「.む.…無理……」
左手で抵抗するも、やはりかなわなくて、
「……じゃあ、べぇって舌出して……ほら…」
言っている意味もわからないが、親指で触れられた唇がジンジンとしびれる。
「……ベェ……?…」
言われたとおりに出した舌に、
「………いい子だ…」
と言って、ゆっくり近づいたサンジの舌が、ぬるりと触れる。
驚いて引っ込めると、
「…しん……もっかい…」
と、少しきつく言われる。
それでも、いやいやと首を横に振ると、
「…ったく……仕方ねぇなぁ……」
今まで水にさらすために僕の右手を掴んた手を離して、
両手で僕の頬に手を置く。
無理やりねじ込まれた舌が熱くて、
それでも、さっきまで濡らされていた手が冷たいのが僕を変な感じにさせる。
「……んっ……ふ……」
キスの合間で漏れる僕の声に自分自身が恥ずかしくなる。
いつの間にか壁に押し当てられた体は逃げ場をなくし、
ただ必死に両手でサンジに掴まるしかなかった。
ふと、やんだキスに切れた息を整える。
「……サンジ……?」
絞り出した声にサンジの顔が緩む。
「なんて顔、してんだよ」
「えっ?顔?」
再び近づく距離に、顔を背けると、
「……好きだよ……しん……
…今すぐ……俺のものにしちまいたい…」
耳に囁かれた言葉に、感じてしまう。
「………っ……」
足のあいだをサンジの脚によって割られ、さらに距離を詰められる。
「…ひゃあ!……っあっ…」
不意に耳にキスをされ、太ももをゆっくりと上へとなぞられる。
「………しん……」
さっきよりもさらに甘くかすれたサンジの声に、
「…サ、サンジ!!…ちょっと待って!…」
慌てて肩を押し返す。