one piece of my Dream [ワンピース]
第6章 嫉妬
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誰かの気配で目が覚めた。
………ゾロだ。
少し口の中が苦い感じがして、確かめる。
「……にが……」
サンジにもらった紅茶を一口含み、甘さで口直し。
「なんで苦いか、教えてやろぉか?」
ゾロが僕の横に座り、顎を引き寄せる。
「あちっ-----…」
その動きで揺れた手がカップの中の紅茶をこぼす。
「クソマリモ、余計なことしてんじゃねぇ」
サンジがタオルを渡してくれようとした瞬間------
「こぉしたんだよ----…」
再び、ゾロに顎をひかれた。
「………っ?!……」
「クソマリモっ--」
唇に触れる柔らかな感触と、サンジの声。
少し開いた間から入れられた舌の感触が僕の口内を侵す。
「……甘っ……」
驚いて固まってしまっていた僕から離れたゾロはボソりと呟き、親指で僕の唇をなぞる。
「あのコックが、お前が寝てるうちにしたんだよ」
チッと、舌打ちをして立ち上がったゾロは、
寝る。と言ってキッチンをあとにした。
「………えっと……サンジさん?……」
状況が掴めなくはないが、真相がわからない。
「…つい、ね……」
顔を赤くして視線をそらされ、なんだかそれ以上聞けなかった。