one piece of my Dream [ワンピース]
第6章 嫉妬
一度触れてしまった唇は、とても柔らかくて離したくなくなる。
「……ん……」
甘く漏れた吐息に体が熱くなるのを感じて、そっと舌でしんの舌へと触れる。
まるで媚薬のように俺を惑わせる。
……コイツが欲しい。
ガチャ。
開いた扉から誰かが入ってきた。
「…………クソコック、お前なにして---……」
見なくてもわかるその声に、
ゆっくりと唇を離し相手を見る。
「なんだ?クソマリモ」
少し濡れた唇を親指で拭き取り、しんの頭を優しく撫でる。
「…お前、今…なにしてた………」
苛立っているのがわかるほど、面白くなる。
「…なにしてたって?……見てわからなかったのか?」
「-てめぇ---……」
マリモが一歩踏み出した時に、繋いだしんの手がピクリと反応する。
「……………………」
開かれた目は俺を見て、ゆっくりとあいつにも移る。
「……あれ?……ゾロ………」
「……ぉう…」
マリモの視線が繋がれた手を捉える。
しんはまだ眠いのか目をこすり、座り直してクマのぬいぐるみに顔を埋める。
「…ん?……なんか苦い……」
ぺろっと舌を出して唇舐める。
「…こ、紅茶飲むか?」
なんだか後ろめたくて、繋いだ手を離し厨房へと逃げる。