one piece of my Dream [ワンピース]
第4章 心の距離
「サンジさん、ちょっとお願いが………」
サンジの心音を聞きたかった。
相手の息吹に触れ、気を感じれば、警戒することはなくなると、キヨに教えてもらった。
「…なんだ……よ?」
心なしか言葉が優しくなった。
「心臓の音、聞かせたください」
「……は?……」
有無を聞かず、サンジに近づく。
あぐらをかいたサンジの右足に左手を置き、左腰あたりの布団に右手をつく。
ぐんと近くなったふたりの距離は、どちらかか動くと顔同士が触れてしまうくらいだ。
「……ぉ、おい……」
「しっ!静かに……」
ゆっくりと耳をサンジの胸に当てる。
トクン、トクン。
と聞こえる音は少し早く感じた。
「………………ありがとうございます」
しばらくの間、聞いていた心音は僕の心へと移る。
サンジのタバコの香りもゆっくりと感じることができた。
「ぉ、おう…」
なぜか照れたようなサンジを横目に、まだ眠っているゾロの姿を捉える。
……今のうちに……
サンジの横をすり抜け、ゾロのベッドへと近づく。
「しん?」
仰向けに眠っているゾロの胸に耳を当てる。
ドクン。
と力強く流れる鼓動は、僕の体に伝わる。
ゆっくりと目を閉じかけた瞬間-----