one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
「…しん…か?…どぉした?…」
ひとつ大きなあくびをして、もうほとんど無条件であるかのようにルフィは腕を広げる。
「………………」
ここに来てから、ずっと、この腕の中が安らぎだった。
でも、もぉ求めてはいけないんじゃないのか…
「…ん?……違うのか?」
黙ったままの僕を不思議に思ったのか、
ルフィが自ら近づいて抱きしめてくれる。
「…ぼく……」
その温かさに、ホッとする反面、
また、その心に嫌気がさす。
「なんだ?…また淋しいのか……?」
優しく頭を撫でてくれるその手が、声が、
僕の気持ちを揺るがせる。
「……。…」
首を振って、ルフィの腕の中から抜け出そうとするものの、
「…こらっ、暴れんな!……もぉ寝るぞっ……」
そう言って、僕を抱き上げそのままベットに寝転がる。
「うえっ……ル…ルフィっ…」
抱き枕のように包まれ、ルフィの鼓動を感じる。
「……寂しかったらちゃんと言え……
…甘える事をためらう必要なんてないんだから…
……自分のしたいと思ったことだけ、
やればいいんだよ……」
少し寝ぼけたように聞こえたその言葉が、
僕の奥深くに染み渡る。