one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
結局、ゾロはその日の夜帰ってこなかった。
余計な気配も、何度も入れ替わって、
感じ取りたくなくて眼を閉じ、耳を塞ぐが、
抵抗できるはずもない。
「眠れない………ゾロの…バカ……」
図書室のソファーから起き上がり、タオルケットを体に巻き付け、歩き出す。
乱れた心は落ち着くところを求めてさまよい歩く。
無意識に辿り着いた先は。
一つの部屋の前。
目の前の扉を開けると、
いろんな気が飛び交っていた。
これだけの気の中なら意識をしない限りは、
ゾロを感じなくて済む。
「……ルフィ……」
気持ちよく眠る、ルフィの肩を揺する。
「……に…く……」
むにゃむにゃと寝返りをうって起きてくれないルフィを、
床へと投げ落とす。
「い"っでぇ!!……なんだぁ?!」
ぶつけて打った頭をさすりながら、まだ寝ぼけているルフィに、
「ルフィ、一緒に……………」
……一緒に、寝て。
出かけた言葉を飲み込む。
やましい気はない。
ただこの乱れた心をおちつけたかっただけ。
でも、ただそれだけの気持ちが、
僕の心を惑わせる。