第7章 うなれ体育祭
USJで1年A組がヴィランに襲撃された翌日、学校はマスコミへの対応や侵入システムの見直しなど様々な対応に追われることとなり臨時休校になった。けれどあのヴィランたちの恐怖を味わった1年A組の気がたった1日で休まることはなく、皆各々あの時のことを見つめ直す時間を過ごした。
そして、休校明けの学校──────
「皆ー!!朝のHRが始まる席につけー!!」
飯田さんは教卓の前に立ち、いつも通りの元気な姿で委員長の仕事をこなしていた。しかし瀬呂さんの「ついてるよ、ついてねぇのおめーだけだ」と、この冷静かつ的確なツッコミに委員長のジレンマと呟き悔しそうに自席にへと戻って行った。
(委員長のジレンマって何だろう…)
「お早う」
その声と共に教室の扉からは全身を包帯でぐるぐる巻きにされた相澤先生が、何事も無かったかのようにいつも通り教室に入ってくる。その相澤先生の姿は、彼の声が聞こえなかったらミイラ男が教室に入ってきたとあわや騒動になるレベルの包帯の巻き具合だった。
「「相澤先生復帰早えええ!!!」」
私たちは相澤先生が一昨日負ったあの大怪我が完治するまでは流石に休みを取るだろうと思っていたので、目の前の光景に度肝を抜かれる。本当に信じられないプロ根性だ…。
「先生無事だったのですね!!」
「無事言うんかなぁアレ………」
「俺の安否はどうでも良い何よりまだ戦いは終わってねぇ」
そんな相澤先生の言葉を耳にした1年A組全員の雰囲気が変わる。
「戦い?」
「まさか…」
「まだヴィランがー!?」
戦いと言うワードにピクリと反応する爆豪さんと一昨日の襲撃事件もありまたヴィランが来るのではと表情を険しくさせる緑谷くんと怯える峰田さん。そして少しの間を置いて相澤先生の口が開く。
「雄英体育祭が迫ってる!」