第2章 踏み出せ第1歩
「「おおお…おおお!!?」」
超巨大ロボットは緑髪の男の子のパンチによって後ろに大きく倒れた。そしてその光景を目にした受験者全員が声を上げて驚愕した。しかしロボットが倒れると同時に彼は、足と片腕がボロボロの状態で急降下してきたのだ。
『嘘っ…落ちてくる!』
「ね、ねぇ!そこの貴女!!」
言がどうしようとあたふたしている時、先程瓦礫の下敷きになり身動きが取れなくなっていた女の子が声を掛けてきた。 言は心の中で彼女が自力で瓦礫から脱出出来たことに胸を撫で下ろした。そして一拍おいて彼女が声をかけている人物は自分だということに気がつく。
『え、私?!』
「うん…わ、悪いんやけど…そこにあるロボの残骸の上に私を乗せてくれんかな…」
『だ、大丈夫だけど…?』
言は彼女に言われた通りに彼女をロボットの残骸の上に乗せた。そして女の子がロボットに触ると同時に、ふわりとロボットの残骸が浮き始めた。
『なるほどね…!!後ろから押すよ!』
「う…うん…おねがい…」
彼女の意図を理解した言は彼が落ちてくる方向に向けてロボットを力いっぱい押した。ロボットの残骸は落下してくる彼の方向へと真っ直ぐ進み、彼が地面に落ちる寸前で残骸の上に乗っていた彼女が彼の頬をバチンと勢いよく叩いた。すると頬を叩かれた彼は宙にふわりと浮き、女の子が地面の目の前になった瞬間に「解除」と言うと2人は地面に着地した。
彼女は個性のキャパオーバーと着地の衝撃で嘔吐。男の子は痛みに耐え地面に這いつくばりながら「せめて…!!1Pでも…!!」と言っていた。
言が2人を助けようと足を1歩踏み出した瞬間
「終了〜!!!!」
プレゼント・マイクのアナウンスで実技試験が終了した。