第25章 一意奮闘
目を覚ますと視界に移るのは見覚えのない部屋。隣から微かに感じる温もりとカーテン隙間から差し込む光。近くにあった時計に目を移すと時間は朝の5時。最初は何があったのかと疑問に溢れたが、働き出す脳と同時に昨日の記憶をじわじわと思い出す。
『あぁそっか、結局あのまま寝ちゃったんだ』
理解が追いついたところで私は隣でまだスヤスヤと寝ている爆豪くんを起こさないようにベットから起き上がる。
『…部屋に戻らなきゃ』
まだ覚めきっていない体に喝を入れるべく顔をぺちっと叩いてそう呟く。私は爆豪くんの部屋から出ていく前にベットで寝ている爆豪くんに目を向けた。
(爆豪くんの眉間にシワがない…寝てる時はなくなるんだ…)
私はベットの前でしゃがみこみ両手を頬に当ててじーっと爆豪くんの顔を見つめる。夏休みの時に彼の寝ている姿を見た事はあったがまじまじとは観察しなかったのでこれは新しい発見だ。
『ありがとうね、爆豪くん』
私は爆豪くんを起こさない程度の声でお礼を言いながら彼の髪を撫でて部屋から静かに出て行った。