第5章 慣れてきた時こそ
昨日は緑谷くんと別れた後、直ぐ家に帰ったのだが帰りが遅くなるのに連絡を入れなかった為、百ちゃんにとても心配された。と言うか怒られてしまった。まぁ昨日は何やかんやあったけれども緑谷くんと仲良くなれたので終わりよければ全てよしかな。怒られたけれども…
そして翌日になり私は今、百ちゃんと共に学校へと登校し雄英高校前にいるのだが、そこには頭が痛くなる光景が広がっていた。
『なに、この人だかりは…』
校門の目の前はカメラ・マイク・メモ帳などを手にしたマスコミの人たちでごった返していた。少し離れた場所でその様子を見ていると校門を通る生徒は必ずマスコミの人達にマイクを向けられ何やら取材をされていた。
「きっとオールマイト先生が雄英高校の教師に就任したのが理由ですわね」
『巻き込まれる前に早く行こう』
私は百ちゃんの手を引いてマスコミの人から話しかけられるよりも早く校舎にへと全力で駆け込んでいった。そしてなんとか教室に到着。私が座席に腰を下ろした瞬間にチャイムがなり、相澤先生が教室の扉を開けて教卓の前に立つ。
「昨日の戦闘訓練お疲れVと成績見させてもらった」
相澤先生は昨日の戦闘訓練の成績が書かれている紙の束を教卓の上に置き爆豪さんに視線を送る。
「爆豪、おまえもうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」
「……わかってる」
相澤先生に名指しでそう言われた爆豪さんは口を尖らせながら小さく返事をする。そして相澤先生は次に緑谷くんに視線を送る。
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か個性の制御…いつまでも「できないから仕方ない」じゃ通させねえぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだそれさえクリアすればやれることは多い焦れよ緑谷」
「っはい!」
緑谷くんと爆豪さんへのお説教が終わった後相澤先生の空気が少し変わる。
「さてHRの本題だ、急で悪いが今日は君らに…」
私たちは入学初日からの相澤先生を見てきたうえでまた「臨時テストでもするのか…?」と言う考えが頭を過りゴクリと息を飲み身構えるが
「学級委員長を決めてもらう」
「「学校っぽいの来たーー!!!」」
そんな予想は外れ久しく感じられなかった学校らしいイベントに皆嬉々とした声を上げた。