第22章 途方もない悪意
「……………ふざけるな、こんな…こんなァ…こんな…あっけなく…ふざけるな…失せろ………消えろ…」
そして暫くして動かなくなったと思った死柄木がブツブツと呟き始める。
「”奴”は今どこにいる、死柄木!!」
「おまえが!!嫌いだ!!」
一刻も早くオール・フォー・ワンの居場所を突き止めたいオールマイトと目を血走らせた死柄木がそう叫んだ瞬間、部屋の中に黒い液体が出現。突然複数の脳無がアジトに現れる。
「脳無!?何も無いところから…!あの黒い液体は何だ!」
「エッジジョット!黒霧は!」
「気絶している!こいつの仕業ではないぞ!」
「シンリンカムイ、絶対放すんじゃないぞ!!」
プロヒーローたちは突然の出来事に混乱する中、脳無は止まることなく出現する。折角捕まえたヴィランたちを絶対に逃しはしないと慌ただしく統率を取り始めたそんな時
「お゛!!?」
『 爆豪く……んっ!』
言と爆豪の口から、脳無が現れた時と同じ黒い液体が溢れる。
「爆豪少年!!言少女!!No!」
「っだこれ体が…飲まっれ…」
『………んぐっ……』
オールマイトは飲みこまれていく言たちを掴もうとするが惜しくも届かず、言と爆豪は黒い液体に完全に飲み込まれこの場から消えてしまった。
絶望は悪意はまだ終わらない─────…