第4章 戦闘訓練のお時間
『……緑谷出久』
「へ??」
『私、入試の時君の姿を見て凄くカッコイイと思った。誰よりも早くお茶子ちゃんを救ける為に自分を犠牲にしてまで飛び出した君の姿、私今でも忘れてない』
言は落ち込む緑谷を指さしながら彼にそう伝えると緑谷は何か言いたげな表情で言を見て、口を一瞬開くがグッと堪え言葉を飲み込み小さな声で「ありがとう」とだけ呟いた。
『じゃあ私が君のファン1号だね!』
言はそう言って彼の前で少しイタズラに笑う。
「ファン1号…」
緑谷は驚いた表情で言の顔を見つめた。
『あっ、嫌だったかな…』
「い、嫌じゃない!!すごく嬉しい!」
緑谷は目を輝かせながら首を横に大きく振り笑顔を見せる。家も近づきそろそろお別れの時間。言は送ってくれたお礼と共に勇気を振り絞り彼の名前を呼ぶ。
『ここまでで大丈夫、送ってくれてありがとう
”緑谷くん”』
「え、今…」
『くん付け好きじゃない…?』
「…ううん、嫌いじゃないよ!じゃあね”言さん”」
そう言って緑谷くんは私に手を振り帰って行った。高校生活2日目 私、八百万言女の子のお友達に続き、男の子のお友達も出来ました。