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【ヒロアカ】folklore

第20章 2人の英雄



いなくなった緑谷を追いかけていくとテラス近くの公園に到着し、そこにはオールマイトもいた。2人はセントラルタワーを眺めるように並んで立っており、後から訪れた言に視線を送った。そして言が静かに緑谷の隣に立つと、彼は何かを思い詰めていたようで静かに口を開いた。


「僕が、ワン・フォー・オールを受け継いだ者として、もっとしっかりしていればこんなことには……」


自分を責める緑谷にオールマイトは穏やかに、でもしっかりとした口調で言葉を送った。


「……緑谷少年。そんな風に考えても時は戻らない。それに、ヒーローを続けていけば、この先、こんな哀しい事件に遭うことも少なくない」


顔を上げた緑谷をオールマイトはじっと射貫くように見据えた。彼もきっとこのような出来事をたくさん乗り越えてきたのだろう。力強い真っ直ぐな瞳を見て緑谷は顔を上げ前を向いた。また、言も緑谷に励ましの言葉を送ろうとしていたのだが今はオールマイトのその言葉と瞳だけで十分だろうと感じ取り、澄み渡る青空に視線を移す。



ヴィランを倒した時の緑谷がまるでオールマイトに見えた。このことは緑谷がもっと成長した時にでも言ってあげよう。そう思ったのだ。



そして2人の英雄は前を向く─────────





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