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【ヒロアカ】folklore

第20章 2人の英雄



美味しそうな匂いが漂うI・アイランドの湖のそばにあるテラス。そこには1年A組の生徒が集まり鉄板の上に焼かれた肉や野菜を囲むように賑わっていた。
昨日の事件で、本日に予定されていたエキスポの一般公開は延期。そして生徒たちがヴィランと戦ったことはI・アイランドの責任者がヒーローの卵たちの将来に配慮して公表しない流れとなった。しかしI・アイランドの危機を救ってくれた幼いヒーローたちに何もご褒美がない事も少し寂しい事なので戦闘の労いも込めてオールマイトが皆にバーベキューをご馳走する事にしたのだ。


『バーベキューって初めてだけど美味しいね』

「ええ、なかなかいいものですわ。今度家の庭でもやってみようかしら」


そう言う百の食べ終えたお皿には串が山のように積み重なっており、そんな大食いの百の姿を見て常闇は唖然として見つめていた。また同じように黙々と食べていた轟が口を開いた。


「そんなに腹減ってたのか」

「ええ、昨日ずいぶんと脂質を使い果たしてしまいましたので補給しないと……あら、このラムもイケますわ!あっ、ソーセージもいただかないと!」

『もう百ちゃんったらお肉は逃げないから慌てないの』

「まるで言の方が姉さんだな」


双子で言の方がいもうとの筈なのにまるで百の方がいもうとのようで、実際に姉がいる轟は自分の姉と重ねてふっと笑を零した。その言葉を聞いてむず痒く笑った言は百のお皿の串がいっぱいになっていたので一度串を捨てるためにゴミ捨て場に向かう。そしてその途中で緑谷の姿が見当たらないことに気が付いた。


『あれ、緑谷くんは?』

「緑谷ならさっきあっちの方にそっと出てったよ。オールマイトがあと追いかけて行った」


言の質問に答えた耳郎。言は耳郎に礼を言って串を捨てた後、緑谷が向かった方向にへと歩き出した。




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