第17章 知識を得た者
数え切れない程の経験を積んだ職場体験が終わった翌日、またいつも通りの学校生活が幕を開ける。そして1年A組の教室は朝から賑やかしく職場体験の話が飛び交っていた。それぞれの職場体験先で学んだこと等の差はあれど皆、行く前と行った後では心持ちや面構えが違っていることは明らかだった。それが良い方か悪い方かはその人のみぞ知るが。
そしてSHRの後に、ヒーロー基礎学の授業が始まる。今回のヒーロー基礎学は運動場γで行われるようで、言達はコスチュームに着替え移動を開始した。
「ハイ、私が来た!ってな感じでやっていくわけだけどもね…ハイ、ヒーロー基礎学ね!久し振りだ少年少女!元気か?!職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!!」
「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか?!」
飯田が挙手をしてオールマイトに質問する。
「あそこは災害時の訓練になるからな私はなんて言ったかな?そう”レース”!!ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!誰が私を1番に助けに来てくれるかの競走だ!!もちろん建物の被害は最小限にな!」
そう言ってオールマイトは釘を刺すように爆豪を指さした。入学直後におこなわれた戦闘訓練時の建物破壊が主な要因だろう。
「指さすなよっ…!」
指をさされた爆豪は顔を歪め、その顔をオールマイトから背けた。
「じゃあ初めの組は位置について!」