第14章 心機一転とお友達…?
『───って事があって…』
爆豪と言は校舎の壁に寄り掛かるようにしゃがみ、言は爆豪に先程起きた出来事を全て話した。話をしている時、言葉が詰まり上手く喋れない時もあったのだが爆豪は何も言わずただ言が落ち着いて喋れるようになるのをずっと待っていてくれた。
〘当分は1人にさせない方がいいよ〙
「…なるほどな」
爆豪は言の話を聞いて心操の言葉の意味を理解する。そして顎に手を当てて暫く思案した後、爆豪はハンカチで目元をおさえている言を指さして口を開く。
「お前暫く休み時間は1人になんな。昼休みも昼食の時は俺と食え」
『え…?!休み時間はともかくお昼は何故?』
「昼休みはどうせポニーテールの奴と食ってんだろうが。女2人だけでいたらそれこそクソモブの格好の的だ。んなら俺といれば問題ねぇだろ」
『確かにそうかもしれない…でも、爆豪さんに申し訳ないから大丈夫。私1人で何とか』
「なってねぇからこの現状何だろうが」
『それは…』
爆豪に正論を言われ何も言い返せなくなる。そして押し黙ってしまった言を見て爆豪は目を伏せ、ため息を吐きながら頭を搔く。
「俺と食うのが嫌なら他のやつでも…」
『それは嫌じゃない!!でも、私のせいで誰かに迷惑がかかるのは嫌…』
突然の言の大きな声に目を見開く。またそれ以上に「嫌じゃない」と言う彼女の言葉に驚きを見せた。体育祭前の出来事などもあり言からは嫌われていると思っていたのだが、まさかそんな事を言われるとは思っておらず心にさざ波が立つ。今までにない不思議な感覚を覚えながらも爆豪は立ち上がって言の目の前に移動する。
「迷惑じゃねぇって言ってんだろうがっ…それよりもテメェの身に何かあって問題になる方が迷惑だ!いいから黙って俺と飯食ってりゃいいんだよ!」
そう言ってしゃがんでいる言の目の前に手を差し出た。
───こんな…横暴で不器用なご飯のお誘いがあっただろうか
『じゃあお言葉に甘えて…これからよろしくお願いします』
優しさに揺れるように微笑んで彼の手を取り立ち上がった。こうして私と爆豪くんは一緒に昼食を食べる関係性を結び、この日以降、本当に2人で昼食を取るようになった。