第3章 1年A組
上鳴と瀬呂の自己紹介が終わった後また教室の扉が勢いよく開かれた。
「とぉーちゃーく!!」
「おい、そんな勢いよく開けるなって…」
今度は元気な声を発するピンク色の女の子と赤髪の男子が入ってきた。
「あれ?まだ4人しかいないのか!私、芦戸三奈!宜しくね〜!」
「俺は切島鋭児郎!宜しくな!」
ピンクの人は芦戸三奈、赤髪の男の人は切島鋭児郎とと名乗った。言達は先程と同様2人にそれぞれ自己紹介をする。そして紹介が終わると言は切島がじっと自分の顔を見つめていることに気がつく。
『あの、私の顔に何かついてたかな…?』
「あ、いや、何でもねぇぜ!」
『そう…?』
首を傾げながらそう問うと切島はパッと顔を逸らして何事もなかったように会話に戻っていった。
「4人はお知り合いな感じかな?」
「いや、知り合いなのは俺と瀬呂だけ」
「私と言は姉妹ですわ」
「そうなんだ!じゃあ双子か!でもあんまり似てないんだね〜!」
「えぇ…よく言われますわ」
『双子と言っても2卵生だから似てないんだ〜』
「なるほどね!」
言が有り付き顔でそう答えると、芦戸は先程の上鳴と同じく手をポンと叩き納得する仕草を見せた。