第3章 1年A組
「という訳なんです…」
百からクラスに1番乗りしたかった理由を耳打ちで教えて貰った直後、言は左胸を抑えながら顔を下に向ける。
「言!どうしたんですか!体調でも悪…」
『百ちゃんが可愛すぎてツラい…』
「……っか、からかわないでください!!」
言が呟いた言葉を聞いて百はより顔を赤くし照れ隠しをする。
『いや、本当に…可愛すぎてつらい…だって百ちゃんが私と…』
「言わなくて大丈夫です!!」
『ええー、可愛いのに…』
───まさか百ちゃんが私と同じクラスだってわかった時から入学の日は必ず私とクラスに1番で入って記念にしたかったなんてね。我が姉ながら可愛すぎて心配になっちゃうよ…
そして私は百ちゃんの可愛さに心打たれながらも黒板に貼られている座席表を見て座席を確認した。そして私は座席を確認しながら百ちゃんに話を振る。
『クラスの人どんな人達だろうね』
「今のところ言と私が知っている人を含めたら3人ですわね」
『百ちゃんは轟さん?だっけ推薦入試の時に会ってるんだよね』
「ええ、ただ雰囲気が少し怖いというか…少し近寄り難い方でしたわ…」
百は眉を下げ、少し不安げな表情で轟という人について話す。
『うーん、なんとも言えないね…私は実技試験の時に合った緑谷さんって人かな。後お茶子ちゃん!受かってるかは分からないけど…』
「連絡先を聞けなかったのは残念でしたわね…」
『うん…』
───そう私としたことが入試が終わった後、一緒に帰ったというのにお茶子ちゃんの連絡先を聞くのを忘れてしまったのだ。だからお茶子ちゃんが雄英のヒーロー科に受かったか未だに分からない。
『とりあえず座ろっか』
「そうですわね」
少し落ち込む言の様子を見て百が心配そうな表情する。そんな百を見て折角の入学の日に悲しい空気にはさせまいと先程の話を逸らし、2人で座席に着く。そして2人が座席に着いた瞬間にクラスの扉がガラリと音を立てて開いた。