第9章 それぞれの覚悟
「ごめんな、言さんこいつちょっと心がアレなんだよ」
拳藤さんが眉を下げて彼の代わりに謝罪する。
『ううん、大丈夫。それに彼の言うとおり私が最終種目に出るんじゃなくて骨抜さんが…』
「物間の言っていた事なら気にしなくて大丈夫。僕がいいと言うんだから遠慮しなくていいさ!」
『いや、違くて…!あの…!』
「それじゃあ鉄哲と塩崎と八百万クロアが最終種目に繰り上がり決定ね!」
私が否定する間も無くミッドナイト先生からのアナウンスが入り最終種目の参加選手が決定。その後、ミッドナイト先生がクジで決めたトーナメント表がスタジアムのモニターに表示される。
「それじゃあ先程の選手が繰り上がって16名!組はこうなりました!」
私はモニターに表示されたトーナメント表を見て手を強く握り締め言葉を失う。最終種目、私のトーナメント1回戦目は【八百万(百)VS八百万(言)】と映し出されていた。私はきっと見間違いだと思い何度も目を擦って見返すが何度見ても対戦相手は百ちゃんのまま。
「言…」
『百ちゃん…』
そして言葉を失っている時、百ちゃんが険のある表情で私の名前を呼ぶ。私はそんな普段の百ちゃんからは考えられない表情にゴクリと喉を鳴らし、少し後込む。
「”手加減はなし”ですよ…」
『……うん…』
私は曖昧に返事を返して去って行く百ちゃんの背中を見送った。
「よーしそれじゃあトーナメントはひとまず置いてイッツ束の間の楽しく遊ぶぞレクリエーション!」