第8章 障害物の先の騎馬
一心不乱に1000万のハチマキを狙う私たち。そしてその背後に誰かが近づいてくる。
「おらぁああああ!!!!」
鉄哲さんは気がついていないようで声を荒らげて1000万ポイントのハチマキに食らいついていた。
『っ鉄哲さん後ろ、誰か!きてる!!』
「あっ!?」
それはまるでスローモーションの映像を見せられているかのように鉄哲さんの頭に巻かれていた私たちのハチマキが他のチームに取られていく光景が目に映った。私たちのハチマキを奪っていったのは確か…この間教室の前で爆豪さんに絡んでいた普通科の人と尾白さんや青山さん…?そしてB組の人。彼らの様子を見ると瞳はまるで死んだ魚のような目をしていた。
「TIME!!UP!!!」
『あっ……』
負けて、しまった。
「早速上位4チーム見てみようか!!1位轟チーム!2位爆豪チーム!3位鉄て…アレ!?オイ!!!心操チーム!4位緑谷チーム!以上4組が最終種目へ…進出だああ──────!!!」
『あ、あのっ…私のせいでごめ…』
私は声を震わせながら顔を青くして一緒にチームを組んでくれたB組の鉄哲さん塩崎さん、骨抜さんに頭を下げる。
「あ?なに言ってんだおめェー!!?」
「本当です、言さんがいなければ私たちはもっとボロボロでしたわ」
「その通り。君のせいなんてことは絶対にないよ」
そんな私の様子を見て彼らはため息を吐きながら優しい言葉を掛けてくれる。
「そーゆこった!!それになぁ!最後のはいち早く言が気づいてたろうが、んで俺らは気づけてなかった。そこ気に病むこたぁねえだろ!」
私は唇をグッと噛み締めて頷く。
『ありがとう、3人とも…』