第2章 踏み出せ第1歩
『ただいまー』
家に着いた私は靴を脱ぎながら、リビングで私の帰りを待っていたであろうとある人物に聞こえるように帰りの挨拶をする。そしてその考えは的中、リビングからは「おかえりなさい!」と嬉しそうな声で返事が聞こえてくる。
その返事と同時にリビングから顔を出したのは八百万 百 私の姉だ。私の帰りをずっと待っていたのだろうリビングから直ぐに駆けつけてくれた。
そして心配そうな顔をして
「受験はどうでしたか…?」
と体をソワソワさせながら聞いてきた。
『う〜ん…大丈夫だと思うよ』
「そうですか…!それなら良かったですわ…」
百ちゃんは安心したのか胸を撫で下ろし、脱いだ靴を揃え終えた私の背中を押して「さっ、早く手を洗ってお茶にしましょ!」と笑顔を浮かべながらそう言った。
その後はお茶をしながら今日の実技試験の出来事などを百ちゃんに話した。色んな個性が見れた事や、超巨大ロボを倒した男の子の話などを時間が許す限り話し続けた。
『百ちゃん…あの、私ね今日お友達ができたの』
「まぁ…!」
私は少し顔を赤らめながら手をモジモジとさせ百ちゃんにお友達が出来たことを伝える。そんな私を見た百ちゃんは口の前に手を当て嬉しそうな顔をする。
『もし、私もお友達も雄英に受かってたら百ちゃんにも紹介するね。とっても優しくていい子なの!』
「言が言うのなら間違いありませんね、是非お願いしますわ!」
『うん!じゃあ今日はもう休むね。おやすみなさい、百ちゃん』
「えぇ、おやすみなさい言」
私は百ちゃんにおやすみの挨拶をして一日の幕を下ろした。