第22章 22
「どうしました?死柄木」
「荼毘が連れてきた女見に来た」
「…あの、女をですか?」
「お前、何か知ってるのか?」
「いえ、汚い女だと思っただけです。扉を開きましょうか?」
「頼む」
本当は何か知っている…そう思ったが含みを持たせた言い方に本人から聞けばいいと、鍵を開ける事だけをお願いした。
「開きましたよ」
「…」
「死柄木、今は大切な時…どうか、あの女には近づきすぎないように…」
「ただの、汚ない女だろ?」
「ええ…もちろん」
個性の事なのだろうと考えた。荼毘が抵抗無く連れて帰ってきた事を考えれば戦いでは使えない個性。あの行為の、声を聞けば誘惑と幻視か?だが、それだったら響き渡る悲鳴に説明がつかない。まぁ、開ければ死んでるかもしれない女だ期待しないでおこう…ガチャりと重く開くドアの向こうには元の主の物であろうベッドがありその上には土や葉、血で汚れた服を身につけた女が倒れていた。
「思った通り、死んでるな」
「なら、良いのですが…私は、下の様子を見てきます」