第19章 19
「ラッキーだな‥。‥トゥワイス‥これはオレの玩具だから連れて帰る」
「まてまてまてまて!!お前頭いかれてるな!話が全く見えねぇぜ!!つーか!お前のせいで今すぐ死にそうだなぁ!おい!!」
「‥やっちまったなぁ、腕に力入れすぎた」
急に手を離されてドサリと地面に落ちる。入ってくる事の無かった空気が一気に肺に入り、上手く呼吸出来ずにゲホゲホとしか言うことが出来ない。苦しさに涙まで流れてくる
それを見た荼毘は嬉しそうに私の髪の毛を掴み上を向かせ
反対の手で木に火をつける
「勝利の女神も手に入れたしな…さぁ、地に落とせ、敵連合‘ 開闢行動隊’」
「離してッ!!」
みんなにこの事を言わないと
そう思って捕まれた髪を解こうとバタバタと暴れる
「暴れて逃げたとしても、テメェの個性じゃ何も出来ねぇよな」
目の前で冷たい炎で牽制され、私は動きを止めてしまう
荼毘は私の髪の毛を掴んだまま、私の体をズルズルと地面に這わせたまま歩き始めた
「い、イタイッ…離して」
太ももに木のトゲや砂利、草などが擦れて血が流れる。激痛に顔を歪めても、目の前の2人は気にも止めず歩いていて、時には談笑をしていた。
少しすると足を止めトゥワイスと呼ばれる男の個性なのか荼毘がもう1人増え、補習組と先生達がいる建物の方向へと走っていった
「なー、荼毘、玩具にするって…お前ロリコンなのかも知れないけど女子〇生は良くないだろ!倫理的に!」
「敵に倫理感なんてある訳ねーだろ?」
「たしかに、そこら辺に居るガキに比べたら可愛いけど…そこまで気に入るか?」
この人達、今…みんなを襲ってるんだよね?
なのに、会話の内容は雑談で何事も起こっていないのではないがと錯覚するレベルだ。
もう、その会話も今の置かれている状況も怖くて怖くて仕方ないのに、私には今何が出来るかだけ脳みそは動いていた。
その時、私の頭の中にテレパスが流れてきた敵が現れたこと逃げれるものは施設へと、その情報のみ
「あー!ダメだ荼毘!!おまえ!やられた!弱い!!!ザコかよ!!」
「オレ弱いな…雑魚だな」