第14章 14
そんな事を思っていると寝ていると思った相澤先生がボソリと喋りかけてくれた
「補助席でいいならそっちに座ってもいいぞ」
そう言われて私は嬉しくなりお礼を伝える。
2人は先生の後ろで驚いた顔で相澤先生の方を見ていた。
その表情が面白くて思わず吹き出してしまう。
それに慌てた2人は私の方を向きシーっと人差し指を口元に当てていた。
動いているバスに揺られながら席を立ち2人の隣に移動をする。ふと、後ろの席を見ると轟くんがいて私の方をみて口元を持ち上げた。隣に座っている金髪の男の子は見たことが無い人だった。
車内では各々楽しい話をしている。もちろん私もだ…とは言え、さっきから2人に質問攻めを受けているのだけど。
名前、出身校、血液型、星座…尽きない好奇心に関心をするがコミュニケーション能力がとても高い2人だという事がよく分かった。けれど、質問攻めにされても2人の性格からなのか悪い気がしなかった。むしろ、仲良くなれていくきがした…
「凛ちゃん、ポッキー食べる?」
「あ!ありがとう!」
「私もー!」
「そう言えばA組のことよく知らないよね!あの席に座ってるのがっ……」
バスの中で2人と食べるポッキーはいつもと違ってとても美味しく感じた。
2人がA組の人を教えてくれて担当以外の人の名前をやっと知ることが出来た。
バスはガタガタと揺れながら高速道路を進んでいく。しばらくすると
「青山ちゃん大丈夫?」
そんな声が聞こえて後ろを振り向くと真っ青な顔で元気の無い「…メルシィ」の声が聞こえ轟くんが立ち上がり補助席に座っていた
「轟…補助席が似合わないね!」
「本当!凛ちゃんが小柄で収まってるけど、やっぱり男の子だと違うね!」
「補助席に似合う似合わないもないだろ…」
2人は楽しそうに轟くんの姿をみて笑っていて轟くんは少しズレたツッコミをしていた。
顔が真っ青な青山くんが心配になったが、クラスメイトは気をそらすようにしりとりを始めた。けれど、しりとりでは盛り上がりにかけたのか車内では少しエッチな話と怖い話をする…そうすると青山くんの体調は良くなったようだった。