第44章 ホークス オリジン
痛みに慣れているのかホークスは痛いとは言うものの表情は変わらなかった
噛み跡を眺めてホークスは笑う
「凛ちゃん」
そう言って座ってる私を抱きしめて、ホークスは何にも言わない
言いかけては何かを止める、歯切れの悪いホークスの姿。
それなのに
2人だけの空間を割くように、後ろから荼毘の声…
「2人の時間楽しかったか?ホークス」
「もう少し、時間が欲しかったけどね」
そう笑うホークスを引き剥がして、立ち上がり振り返らずに荼毘に近寄って見上げ
「荼毘…」
「凛…ちゃん…」
後ろ髪を引かれる
甘いホークスの声。
「連れて行って」
荼毘の首に腕を回そうとすると手をタオルで包まれてそのまま抱きしめて拭かれる
「荼毘…?」
体がふわりと、浮き上がって荼毘に連れて行かれる。
浴室の扉を閉めて歩く荼毘がぽつりと言葉を発する
「悪いな…せっかく寄ってきてくれたのに…擦り寄るの止めて」
「何その言い方…猫みたいに言わないでよ」
「…変わんねぇだろ」