第44章 ホークス オリジン
「はい、お迎えお疲れ様ー!あっちで引ったくり捕まえたから後処理よろしくねー」
その声が空から聞こえる
足を止めて空を見上げるとホークスが地面に降りてきた
サイドキックを見れば顔が青ざめていた
「お、お疲れ様ですっ!!ホークスさん!!」
「インターンに来た子口説くとか…立場考えてくれる?」
冷たい声に冷たい視線…また私の知らない顔だ…
「す、すみません…」
「ほら、早く行って…あとその先でもお婆さん困ってるから手伝って」
そう言うと、案内してくれたサイドキックは慌てて走り出した。
ホークスはと言えば一言も私には声をかけてくれないし、目すらも合わせてくれなかった。
声をかけようそう思って決意して一歩前に踏み出せば後ろからドンと人にぶつかられた。
ホークスと写真を撮りたかったようで密着してスマホで写真を撮ろうとしている
「ホークス!写メ撮って」
「ん、いーよ」
また、ファンサービスをしている。
続々と人が集まりホークスが囲まれていく。
「雑誌かっこよすぎ!デートしてる気分だったよ!」
「わ!私、3冊買った!」
そんな言葉が聞こえる。
ここは彼の地域なのだからこの光景は当たり前だ…。
サービスタイムはまだ時間がかかりそうだと判断をした私はホークスのヒーロー事務所があるビルに向かって1人で歩き始めた。
羽が頬をかすめる
「人気者は大変だね?」
そう伝えると羽はエレベーターのボタンをカチッと押してくれた。
道案内をしてくれるのか乗り込み一番上の階まで連れてきてくれてる。慣れたように扉が開かれる…
ホークスの部屋なのかデスクとパソコンが広い部屋に置いてあった。
応接ようなのかお洒落な机と椅子まであった
羽はふわふわと私の周りで漂っている
アルミの鞄を床に置いて窓に近づき下を眺めればホークスはまだ囲まれていた。
応接用の椅子に座り部屋を眺める…そこには私の部屋から持って帰ったエンデバーの人形が置いてあって思わず微笑んでしまった。
「よいしょっと…」
その言葉に窓へと視線を移した。そこに居たのはホークスで部屋へと戻ってきたようだった…
それを見て立ち上がりピシッと姿勢を正して立つ
「お疲れ様です。インターンで来ました神楽ノゾミですよろしくお願いします!」
名前なんて知ってるだろうし、改めなくてもよかった…