第44章 ホークス オリジン
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暗い路地
汚い通路
焦げ臭い匂い
相性の悪い相手
「そろそろ、オレも仲間に入れてくれよ荼毘」
「まだだ、オレはお前を信用してねぇ」
そう言う荼毘に“つれないなー”と返事をする
すると、荼毘は思い出したように“あ”と声を出す
「なぁ、ホークス…お前、仲間になるならなんでもするんだよな?」
「ああ…」
その言葉に嫌な予感がした
「今日発売の雑誌見たぜ…お前、本当に人気者なんだな」
「そりゃ、どーも」
頼む…その予感が外れてくれ
「…相手の女…神楽凛だよな?」
「悪い、出版社が連れてきた子だからよく知らなくて…な?」
「へぇー…まぁ。知ってても、知らなくてもどっちでもいい…凛をオレのところに連れてこいよ」
その言葉に目を伏せたくなった…
なんでオレはあの時…凛ちゃんを雑誌の撮影なんかに誘ってしまったんだ。
「雄英から連れ出せるよなぁ…人気ヒーローさんよぉ」
その色を含む言い方に笑うしか出来なかった
「ご執心だな」
「お前もだろ…お前からたまに、凛と同じ香りがする…気がついてないとでも思ったか?」
その言葉に参ったと両手を上げて、もう一度荼毘を見据える
「凛ちゃん、オレの大ファンらしくて…雑誌撮影で可愛くて声かけてセフレにさせて貰ってたんだ」
セフレなんてそんな軽い扱いの言葉を凛ちゃんに使いたくなかった
可愛くて仕方ないオレの天使なのに