第44章 ホークス オリジン
「あ、あれは!!あんな事があって…私がホークスの事警戒して追い出そうとしたからッ…ホークスが…私の事心配して相手側にも無理言って。ずっと断っていた仕事を受けてくれたんです。…私が“存在を消されて可愛そう”だったから」
そう伝えると、ホークスがこちらを向いて驚いた顔した。校長は、HAHAHAと震えながらお茶を呑みこぼしてした。
“存在を消されて可愛そう”その言葉は校長を心を動かすのは簡単だったようだ
「神楽さん…林間の件本当に申し訳なかった。ただ、私たちは君の“存在を消した”訳じゃない…が、結果的にそうなり君を傷つけた。インターンの件は…その謝罪の意味を込めて受けようじゃないか…では、残りの話はホークスから聞きなさい。こっちの手続きは私からパワーローダー先生に言っておくから」
そう言って校長は席を立ち扉から出て行った。
扉が閉まった瞬間にホークスがいつもの態度に戻り頬杖をついてこちらを向いた
「助かっちゃった…まさか、凛ちゃんが雄英を脅すとは思わなかったよ」
ニヤリと微笑んで見つめてくる
「ホークスが珍しく黙ってたから…」
「あー…そう言う時も有るよね…まだ、若輩者だし、先輩のお言葉が重すぎて」
そう言われて私は首を傾げるしかなかった
ホークスの手が伸びて髪に触れる。距離が近くなって目を伏せる…
柔らかい唇が重なって離れる。
「会えて嬉しい?」
「恥ずかしいんだけど…嬉しすぎて姿見たとき抱きつきそうになっちゃった」
「アハハ!それはまずいね…よく我慢しました…えらい、えらい」
頭を撫でられて
また、笑顔になる
こんな会話をしながらホークスは私の事が好きじゃないらしい。
「あ!そうだ…これ雑誌ね。昨日発売で貰ったんだけど、凛ちゃん分はちゃんと包装されててさ…特別待遇すぎ…じゃ、これも渡したし…用事終わったからオレ帰るね?」
ホークスが椅子から立ち上がる
折角会えたのに、またサヨナラだ
「うん…ねぇ、ホークス…」
「なに?」
「帰る前に、一度だけ抱きしめて欲しい…な…」
「仰せのままにお姫様」
「(そんな冗談みたいな言葉もホークスは似合うな…)」
ホークスの手が伸びて腕を引かれて立ち上がると…引き寄せられる。