第42章 42
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私の学校生活は少し変化が起こっていた…
私の研究室は必要な時以外使う事が許されなくなってしまった。
そして、次にこれだ
「発目さん、オレのサポートアイテムも見てもらえる?」
その言葉を発していたのは、切島鋭児郎だった。
学校が始まって以来、私は鋭児郎から露骨に避けられていた…。
A組は必殺技取得に向けてそれぞれ特性を磨いていて必然的にサポートアイテムも変化させなければならなかった。
「切島くんって凛ちゃんが担当してなかった?」
「…うん。そうなんだけど…私…避けられてて」
「まぁ…好きな子に彼氏出来たら複雑だよね」
その言葉に思わず顔を顰めてしまう
「…それ、私と鋭児郎のこと言ってるの?だとしたら勘違いだよ。私、彼氏居ないし、鋭児郎は私の事好きじゃないよ」
「だったらlimeのアイコンなに?」
「…前も言ったけど好きな人。けど、好きじゃないって言われてるから」
そう伝えても信用していない視線が投げかけられた。
不毛な話と目の前の発目さんとのやりとりをみて、ふと勝己くんは必殺技どんなものなんだろう…そう思い教室を出ると人とぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい!え、あ!出久くんッ…ごめんね、怪我してない!?」
「あっ!!凛ちゃんッ…だ、大丈夫だよ!!…そ、そう言えば…彼氏出来たって聞いたよ…」
「え?ちょっとまって…私、彼氏出来てないよ?…確かに、告白はしたよ…でも、はっきりと“好きじゃない”って言われてて…誰に聞いたの?」
「芦戸さんからッ…聞いたんだけど…」
ため息が出た…一番最初に彼女に説明に行くべきだったと後悔した。
廊下を歩き演習場へと向かう、扉を開ければ全員が死にそうな顔をして個性と向き合っていた。
相澤先生の姿が見えて近寄る
「相澤先生、サポート課、神楽です。A組の生徒の個性見にきました」
「…神楽か…勝手に見ていけ」
そう言われて、先生の隣に立ちそれぞれの動きや改良点を観察した。
勝己くんは必殺技を小さい頃からイメージがあったためか、サポートアイテムを強化する以外は無さそうだった。
チャイムが鳴ると、手がドロドロになった三奈ちゃんが私の姿を見つけて目をキラキラさせて近づいてきた。