第42章 42
「凛ちゃんだ!!アイコンみたよー!!おめでとう、アオハルだ!アオハル!!初の彼氏持ち!!」
三奈ちゃんが、その声を発するととてつも無い大きな爆発音と氷柱が突然現れて驚いた。
相澤先生は、ため息をつきながらまだその場から動かなかった。
「良かった…三奈ちゃんに言わないといけない事があって」
「うん!うん!わかるよー!いい報告だよね」
「…いや、悪い報告。私、振られてるの」
「え”!?」
「アイコン紛らわしくてごめんね…色々あって…けど、私のこと好きじゃないって言われてるから」
「うっそー…みんなに凛ちゃん彼氏出来たって言っちゃったよ…相手は、言いたかったけど言ってないからまだセーフだよね!」
その言葉に、あははと笑うことしか出来なかった。ベタベタな手で三奈ちゃんが私に触れようとした瞬間に相澤先生が私の体を引っ張り三奈ちゃんとの間にまた距離が空いた
「芦戸…その手、酸じゃないのか気をつけろ」
「あ!ごめんなさいッ…凛ちゃん!ちょっと手を洗ってくる!」
そう言って三奈ちゃんは走って水道に行ってしまった。
「…ホークスと付き合って無かったのか?」
相澤先生からの言葉に驚いて頭を向けてしまう
「付き合ってないです。…振られてますから。ちなみに、来ていただいた時に居たのはホークス仕事がオフだったから監視を兼ねてうちに居ただけです」
「神楽、お前……はー…また、邪魔か」
相澤先生は何かを言いかけて目を伏せてため息をついた。少し離れた位置から
「凛!」
と呼ぶ声がした
「あ!焦凍!久しぶり」
「芦戸が凛に彼氏が出来たって寮で言ってたんだが…本当か?」
「出来てないよ、けど、告白して“好きじゃない”って言われちゃった」
あははと笑うと真面目な顔になり
「本当か…凛を振るなんて信じられないヤツだな、けど、彼氏居ないなら安心した…まだ、オレの入る隙がある」
と、冷静に言われてなんだか少し恥ずかしくなった。