第39章 39※ホークス
「色々ご迷惑おかけしました…その、上がってください」
「神楽…」
「ほら、話は中でしましょう?凛ちゃんも行こうか」
そう言われてホークスに背中を押されながらリビングへと向かった。
相澤先生を目の前に私が座りその隣になぜかホークスが座った。剛翼がお茶を持ってきてくれて私は、座っているだけだった。
「お見舞いのお菓子をありがとうございました」
「いや…退院のタイミングで迎えをと思ったんだが、随分と早く自分の意思で退院したみたいだな」
「…その…塚内さんから…言われた事が気になって…」
「守れなくてすまなかった」
「そんな顔しないで…ください…本当に大丈夫です。あの時はみんな精一杯でした。けど、私が弱かったから…でももう、元気なんで」
悲しそうにする相澤先生の視線が私に向けられて、戸惑ってしまう。マンダレイとの会話では、相澤先生は“合理的虚偽”と言った。なのになんでそんな目を私に向けるんだろう…
(…ズズズ)
わざと音を立ててコーヒーを啜る音が聞こえてその方向を向いてしまう。
「(ホークス?)」
「そんな顔するなら全て捨てて助けに行けばよかったじゃないですかー。…“教師”って大変ですね?」
そう笑うホークスは相澤先生に挑発的な言葉を投げかけた。
「はー…まぁ、“ただの”ヒーローよりは大変ですね。色々な生徒がいるんで」
そう答えた。ホークスはハハハと笑っている…。