第38章 38
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電柱の上に立ち人通りが少なくなるのをまつ、SNSはどんな反応だったのか見ると褒め称える言葉ばかりだった。
“昨日、テーマパークで見ました!相手の子も可愛かった”
その言葉を見て“知ってるー“と1人で声を出していた。人通りが少なくなったタイミングでコンビニへ入る。
暑い外気とクーラーで冷えた店内は天国と地獄だった。
凛ちゃんが栄養不足にならないようにと思ってのコンビニだった。
自分で料理は出来る。だが、あの家には料理をする為の材料も整った機材も無かった。
オレのために作ったオムライスとサラダ…あの日の夜食べた完成された食材のみしか無かった。
あの子はどうやって生きているのかと冷凍庫を見れば食生活がうかがえた。
けれど、凛ちゃんは完食をしていない…と分かっていた。剛翼を使って商品をレジまで持ってくる。
“新商品 イチゴたっぷりイチゴサンド”
それだけは目視をして手で取り他の商品と一緒に会計をした。いちごミルク2つ。パンにお茶を。
簡単な買い物が終わり飛び立った…。
バルコニーにつき慣れたように扉をくぐればわが家のように冷蔵庫に手をかけて、飲み物をしまう。
寝室をのぞけば凛ちゃんは裸のまま、また寝息を立てていた…剛翼を凛ちゃんの近くに置いてリビングに戻りテレビをつければ未だに象徴の消失と騒いでいた…
「エンデバーさんが居るだろ…」
そう呟きながらお茶を一口飲みパンをパクリと口にした。CMでビールの宣伝が流れる美味しそうに喉を鳴らし飲むアナウンサーを見つめた
「(このアナウンサー、思ったより可愛くなかったし…。任務の関係で1回寝たら面倒だったんだよなたしか。あー…ビール飲んでないな…今日、久しぶりに飲もうかな…凛ちゃんも飲める年齢だったら潰れるまで付き合わせたのに)」