第33章 33
「あ、ゴーグル…ひび割れてる」
「凛ちゃんに踏まれた」
「ご、ごめんなさい」
「とりあえず、急いで行こうか…カバンと靴もってバルコニーに集合」
そう言われて、シルバーのショルダーバッグを肩にかけて玄関に走って行き黒のスニーカーサンダルを手に持ってバルコニーへと向かった。すでに待つホークスが楽しそうに私を待っていてくれた。
「おいでーお姫様」
そう言われて、急いでホークスの前に立つとお姫様抱っこをしてくれてふわりと体が浮いた。
そして、私を抱き抱えながらスピードだすよと言って凄いスピードで飛び始めた
「本当に…ホークス早い」
「それが売りのヒーローなんで」
「ねぇ、ホークスなんでヒーローツースなの?さっきは休みって言ってたよね?」
「休みは明日と明後日。今日は仕事」
「テーマパークでお仕事?ホークスあそこのキャラクターになるの?」
「それ面白いかもね!あのパーク内の鳥の王座を争いに行く?」
「ホークス可愛くないから負けちゃうね」
「結構人気出ると思うけどなー」
そんな話をしていると、ホークスが地面に降りるテーマパークの中にあるホテルの中庭だった。
見たことのない大人達が立っていてホークスの方に歩いてくる。
私は見られたらまずいのかなとホークスから少し離れようとすると手を掴まれて、その大人達の輪の中に入れられてしまった。
「ギリギリになってすみませんでした」
「今日はよろしくお願いします、ホークスさん!まさか、特集OKしてもらえると思ってなくて…あ!この子がそうですか?」
「相手役にどうかな?って思って…無理言ってすみませんでした~」
「可愛い子ですね!」
訳の分からない会話が進められている。多分、ホークスは先ほど言っていた何かの仕事に私を連れてきたんだと理解した。親睦会という名のホークスの職場見学なんだと思い先ほどまでのワクワクした感情を返して欲しいとおもった。
「早速、準備お願いします」
そう言われてホークスはバイバイと私に手を振ってどこかに連れて行かれてしまった。