第33章 33
「ホークス、エンデバーの事好きなの?」
「うん、大ファン」
「意外かも…だから焦凍のこと知ってたの?」
「そんなところかな…昨日はパンケーキ食べたみたいだね…あそこのパンケーキ美味しいよね」
「どうして私があのお店に行ったの知ってるの?」
「凛ちゃんがオレの隠れファンだって言ってた事も知ってるよ」
そう言って、欲しいと言っていたエンデバーの人形を机に置いて、私に向かって歩いてくるホークスが怖くて後退りしてしまう。
私のカバンからふわりとホークスがくれた羽が出てきて彼の背中へと戻って行った。
「オレ…剛翼だから」
近寄ってくるホークスから逃げるように下がると彼の鞄に引っかかってこけてしまった。
パキッと割れる音がした気がした。
それよりも今は覗き込むホークスの視線が怖かった。
「ファンならファンって言ってくれれば良いのに」
そう言ってホークスはニコリと笑って頬杖をつき座ると、サッと大人気キャラクターが描いてある長方形の紙を見せてくる。
「オレと親睦会Part2しようか?」
先ほどまでの怖い雰囲気がなくなって、安心したその紙を見つめると大人気テーマパークのチケットだった。親睦会Part2と言われたが彼が行ったらパニックになるのでは?と考えてしまった。
「ほらほら、早く支度して」
「ホークスが行ってパニックにならない?」
その質問をホークスは無視をして私に支度をする様に再度促した。
私は絶対騒ぎになると考えたが久しぶりに行くテーマパークが楽しみになってしまい、急いで顔を洗ったり、歯を磨いたり…メイクをしてショートパンツと、白のショート丈タンクトップにショート丈のサイズオーバー風なパーカーを着て髪の毛は下ろしたままホークスのいる部屋に行く。そこには何故かヒーローツースに着替えたホークスが立っていた。
「なんで、ヒーローツースなの?」
「凛ちゃん、その服可愛いけどなんか目のやり場にこまるかも」
「そうかな…着替えた方が良い?」
「そのままで良いよ…可愛いから」
そう言うとホークスら近くに歩いてきて、わざと着崩していたパーカーをちゃんとに羽織らされてファスナーまでしっかりとしめられてしまった。