第32章 32
「そう言えば昨日、鳥がぶつかったって言ってたけど大丈夫だったか?」
「…う、うん!急にドン!って言うから本当に驚いて悲鳴上げちゃってごめんね、ビックリしたよね?」
「悲鳴聞いて少し焦った…。ドンって音も鳥がぶつかった音に聞こえなかったから」
「そうだよね…私も、鳥じゃないかもって最初思ったから」
焦凍の質問や回答が的確すぎて返答に少し困ってしまう。
カバンからハンカチ出そうと開けるとホークスがくれた羽が入り込んでいた。これだ!と思いハンカチの間に羽を置き、焦凍の方へハンカチを開き机に置き羽を見せる
「ほら、これが落ちてたの」
「確かに鳥の羽だな…」
それを見せると疑惑の目から解放されて、鳥がぶつかった事実を受け入れて貰えた。
ホークスがくれた羽が役にたって良かった…
「綺麗な羽だな」
「うん、凄く綺麗な羽だよね。」
羽を見ながらホークスを思い出してまた胸がチクリと痛んだ。
机の上にある手を急に握られてビックリして焦凍の顔をみると、凄く不安そうな顔をしていた
「どうしたの?」
そう言うと手が離される。焦凍の顔はもう元に戻っていて先程の表情がなんなのかよく分からなかった。黙る彼になにも言えずただ見つめて居るとパンケーキが運ばれてきた。
3枚のパンケーキに沢山のイチゴがのったものと本日のパンケーキであるメロンが山盛りに乗ったものだった
「本日のパンケーキのメロンすごい美味しそう!」
「これ、どっちから食べるか悩むな…」
「そう言われるとなんか、悩んできちゃった…」
結局2人でどちらか食べるのか悩みながら1枚と半分を交換して食べ始めた。
メロンの甘さとパンケーキ、そしてクリームの甘さが完璧だった。