第31章 31
「ごめんね…」
『…いや、今日またそっちに行く用事あって行っても良いか?』
その言葉にホークスを見る。どうぞと言わんばかりに手をヒラヒラとさせた。
「うん。大丈夫…けど、いま家が帰ってきたばっかりで汚くて掃除とかしたくて…」
『そしたら、外でお昼一緒に食べないか?』
「うん、それなら行く」
『12時にこの間あったコンビニで』
「また、後でね」
電話を切る時には焦凍の声は普通に戻っていて安心をした。
それよりもソファーでくつろぐ目の前のホークスの方が怖かった
「何正直に話そうとしてるの?」
「言い方が、全部分かってそうで、隠せないと思って…」
「監視始まってすぐ呼び出しされるとは思わなかった…今のエンデバーさんの息子さんだよね?」
「なんで知ってるの?」
「体育祭見るでしょ…」
「あっ…そうだよね…じゃなくて、電話の相手の話」
「オレ、これでも人気ヒーローだから暇じゃないんだけど?…電話の相手が分かったのは企業秘密。」
「忙しいのに、ごめんなさい」
「彼氏になら言っていいとかないからね?」
「彼氏じゃないです」
その言葉に驚いた表情をされ、バサリと羽が動くソファーから立ち上がりまた、窓からバルコニーへ出るとふわりとホークスが浮き上がった
「モテる女は大変だね…また、夜来るよ。美味しいもの持ってくるから一緒に食べよう。あと、窓に鳥がぶつかったって言うの笑わせてもらったよ」
そう言ってまた姿が見えなくなってしまった。