第31章 31
ドン!!
と、大きな音がしてキャッと悲鳴を上げてしまう。
音がした方向であるバルコニーを見るとこちらを睨みつけて立つホークスがいた…
ホークスが電話の内容が分かっているのではないかと怖さを感じた羽が数枚隙間から入り込みふわりと動き鍵を開けたその行動が謎だった。
入ってきたホークスはニコリと笑って口元に手を当てて、シーっとポーズをとりスマホのマイクを塞ぐと耳元でささやいた
「本当の事言ったらダメだよ?」
そう言われた。
スマホの向こう側から焦凍の慌てる声が聞こえる…
ホークスはソファーに座りこちらを見ている
『凛!!大丈夫か!?』
「うん、…ごめんね、窓に鳥がぶつかったみたいで」
その返事にホークスは声を漏らさないようになのか口を塞いで笑っている。
『鳥?…良かった…で、さっきの質問』
「都市伝説ってネットニュースになってたよね!私じゃないよ?病院に入院してたから」
『…なら』
ホークスが現れた事で本当に人に言ったらいけない事なんだと分かって慌てて明るく嘘をつき続けた。その姿を確認してホークスはうんうんとうなずいてソファーに座っている。その間にも、羽の量が増えたり減ったりと見ていて感心をした。耳をトントンと叩く動きをされて焦凍の話に意識を戻した。
「あっ!ごめん…もう一度言ってもらっても良い?」
『なんか、心ここにあらずだな』
「本当にごめんね…」
『別に…』
そう言われて、本当に申し訳無くなってしまった。焦凍の声が冷たくなってきてどうしたら良いのか困ってしまう。