第29章 29
「いらっしゃい!」
「は、初めましてッ…勝己くんにはいつもお世話になっています。神楽凛って言います。雄英高校のサポート課で勝己くんとは同級生でッ」
「そんなに、固くならないで大丈夫だよ!…勝己も、こんな可愛い彼女居るなら教えなさいよ!!」
「…彼女じゃねー」
「はぁ!?」
「彼女では無いです…本当に友達で…」
「なんだー!こんな可愛い子ならうちは大歓迎なのに…まぁ、これからも勝己と仲良くしてあげて?」
そう言うと、お母さんは私に上がるように言い勝己くんに促され二階に上がり部屋へと通された。勝己くんの部屋はシンプルで筋トレのグッズや勉強の本、オールマイトのグッズが少しあるだけで整理されていてそのアイテムさえ無ければ男の子の部屋なのか疑ってしまうくらい綺麗だった。
「茶もってくる…」
そう言うと、勝己くんは階段を降りて行ってしまった。勝己くんの部屋は少しだけ甘い香りがするなと考えて立ち尽くしているととびらがまた開きお茶が入ったペットボトルとコップをトレーに乗せた勝己くんが戻って来た
「なんで、座ってねぇんだよ」
「…なんか、どうしたら良いのか分からなくて」
本心だった。いつも、私の研究室で壊れたアイテムを直すか体を重ね個性を発動させることしかしていなかっただから“普通”に会う事にどうしていいのか分からなかった。