第23章 23 ※死柄木
「あのね!ぱぱ!凛は大きくなったらプリンセスになるの!」
「凛なら世界で1番可愛いプリンセスになるね…王子様はどんな人がいい?」
「オールマイトみたいにね!強くて!カッコいい!ヒーローがいいな!」
「パパじゃないんだ…。けど、凛だったら“ヒーロー”と幸せになれるよ」
「ほんと!?…凛…どんな王子様に会えるんだろう…」
そうだ、昔はパパって呼んでたな…
周りがお父さん、お母さんと呼ぶから気恥ずかしくて呼び方かえたんだ。
プロヒーローのお父さんは、お母さんと凄く仲が良くてとても幸せそうだった。
でも、お母さんは…お父さんと出会う前は私と同じで色々な人とこんな事していたのかな?
それとも、お父さんだけだったのかな?
私の王子様は本当に居るのかな?
「おい…起きろ…凛…」
名前を呼ばれ体が大きく揺さぶられる。
聞いた事のない声に助けがきたのかと少し目を開けようとする。
体の痛みが無くなっていた…。
それだけでも、助けが来てくれたと思うだけの充分な自信だった。
けれど、いざ目を開けて、目の前に居たのは白髪の男だった。