第1章 前編
それから数分後。
西の都の上空に到着した悟天は、一番目立つ大きな建物に向かって急降下する。
建物の外観には「カプセルコーポレーション」と書かれていた。
一番大きな窓の前まで行った悟天は、その窓をコンコンと軽くノックする。
すると、中に居た人物が特に驚きもせず振り返った。
悟天が笑顔で手を振ると、そのスーツ姿の人物は窓に近付き中から鍵を外した。
少し不機嫌そうに窓から顔を覗かせたのは、紫の髪に青い瞳の青年。
「遅かったじゃないか、悟天」
言いながら、悟天を部屋の中に招き入れたのは悟天の幼馴染であり、この会社の若き長である、トランクス。
「どうせまた、どこか寄り道してきたんだろ」
トランクス以外誰も居ない社長室に入った悟天は、途端ぶーとむくれる。
「違うよ~! もう、と同じような事言って。二人とも僕のこと何か勘違いしてるんじゃない?」
急に、トランクスの顔が翳った。
そして、
「……元気にしてるか?」
そう、小さな声で訊いた。