第1章 前編
「! どうしたの!?」
急に頭を押さえたに悟天が驚いたように声を掛ける。
「ごめ……大丈夫。時々、こうやって頭痛があるの。例の後遺症みたいなんだけど、……すぐ治るから」
悟天にはの家族がここに来た理由を話してある。
「お母さん呼んで来ようか!?」
「だい、じょうぶ! ……ほら、もう治った」
ぱっと、顔を上げては笑った。
悟天はホッとしたように胸に手を当てる。
「良かった。……そっか、まだ完璧に治ったわけじゃないんだね。悩みとかあったら何でも言ってよ。僕、力になるから!」
優しく言ってくれる悟天には「ありがとう」と笑顔で返した。
――それから、もう少しだけ話をした後、悟天はまた空に飛び立って行った。
笑顔で見送った後、ひとりになったはもう一度頭を触った。
「……大丈夫。もう痛くない」
確認するように呟いて、はその場で大きく深呼吸する。
「よしっ」
気合を入れて、はまだ残っていた洗濯物に手を掛けた。